ReadabilityのiOSアプリが却下された

 

we believe that your new policy smacks of greed
An Open Letter to Apple | Readability Blog

ウェブ上の記事(特に長文)を読みやすくする技術を開発してるReadabilityのiOSアプリがAppleに却下され、同社が公式ブログで書簡を公開した。ReadabilityはSafari 5(2010年)で追加されたReader機能の元になった技術を開発していて、ちゃんとSafariのクレジットにも記載されてる。

Screen shot 2011 02 22 at 17 05 43

ちなみにSafariのReaderとは

  • 広告やTwitter、Facebookサイドバーなんかの目障りな要素を隠す
  • 本文のテキストサイズと字間、行間を大きく読みやすく調整
  • ページビュー稼ぎのための「ページ1、ページ2…」を先読みして一枚に繋げる

といった事を一気にやってくれるとても便利な機能で、私も日常的に愛用してる。たまにReaderが働かないページがあるときなんかは読むのをやめようかと思うくらいだ。

 

Readabilityは最近になって定期購読サービスを始めていて、読者と著者双方にメリットをもたらそうとしている(ように見受けられる)。読者は月額5ドルを払う事でウェブの長文から広告なんかのノイズを取り除き、読みやすく整形された文章をブラウザで読むことが出来る。その後、月額費用から各コンテンツの著者へ70%が支払われ、Readabilityは運営費として30%を徴収する、という仕組みらしい。

The Dailyのように全く新規で立ち上げることなく、またWall Street Journalのように一つのサイトだけで会員制にすることなく既存の各サイトの文章に価格を付けることで、ウェブ上で長文の記事を書き、読む文化を育もうとする意欲的なビジネスだと思う。サイトのスクリーンショットを見る限り、シンプルで読みやすそうに整形してくれるみたいだし、SafariのReader+Instapaper以上の便利さをもたらしてくれるのなら申し込みを考えても良いくらい。

Screen shot 2011 02 22 at 17 22 23

そんなReadabilityがこれまたウェブ上の長文を読みやすくしてくれるサービス、Instapaperを創立し運営してるMarco Arment氏の協力を得てiOS用Readabilityアプリを開発したのだが、Appleが最近導入した定期購読サービスに伴う新ルールに阻まれて却下されてしまった。つまり、アプリ外で定期購読サービスを受け付けてるのなら、App内からも申し込める仕組みを用意しないと駄目だし、App内申し込みのときは30%をAppleが徴収するよ、と。

Readability側は冒頭で引用したブログエントリーで、iOS AppストアはApple自身が運営してるものだし、彼らが利益確保のためにルール改定したことには一定の理解を示しつつ、Appleの総売上から見れば微々たる規模のビジネスからも30%の売上を徴収しようとしてることは残念だと記している。AppleはiPhoneやiPadなどのCMで、サードパーティの様々なアプリを登場させiOSがいかに豊富なアプリが揃っているかアピールしているが、このままではReadabilityのような少額の定期購読サービスを提供している中小規模のビジネスがiOS向けに開発したがらなくなってしまう、と危惧している。

 

ある意味では共同被害者のArment氏もブログエントリーでこう述べてる

A broad, vague, inconsistently applied, greedy, and unjustifiable rule doesn’t make developers want to embrace the platform.

Marco.org – Subscriptions and the new In-App Purchase requirement

Arment氏の懸念はAppleの30%取り分ではないようで、例えばこんな場面を想定している

  • Twitterがなんらかの有料購読サービスを始めた場合、サードパーティTwitterアプリはどう対応するのか?(サードパーティアプリ内からも定期購読サービス申し込みを受け付けなくてはいけないけど、70%の売上をサードパーティが貰って良いの?)
  • Evernoteもプレミアム会員という制度があるけど、サードパーティEvernoteアプリはどうする?
  • Dropboxは無料会員も有料会員もいるけど、有料会員を閉め出す?Dropboxへのアクセスを機能としてもってるサードパーティアプリはどうする?
  • Saleforce、Linked.in、37signals’、Pinboard.inの各種サービスへ繋がるアプリは?

Android’s installed base is now large enough that a huge, compelling new service could launch exclusively on it.

これらので揉めたり機能を削ったりと面倒事になるなら、Androidに独占提供されるサービスも出て来てしまうのでは?という懸念。Arment氏は、今回のルール改定がiOSプラットフォームにとってマイナス面の方が大きいだろうと推測している。

 

What they’re pissed about is that Apple has the stronger hand. Readability needs Apple to publish an app in the App Store. Apple doesn’t need Readability.

Daring Fireball Linked List: Readability iOS App Rejected for Violating New Subscription Content Guidelines

Apple事には一言あるJohn Gruber氏は割と感情的にReadabilityの意見を否定、AppleからしたらReadabilityが他所でビジネスしてもかまわないけど、ReadabilityはiOSプラットフォームがなきゃ立ちゆかないんだろ?と。ただ、Gruber氏は少しReadabilityの元エントリーを読み違えてる気がする。別にAppleに却下されたことに驚いてはいないみたいだし。

 

Appleファンボーイの自分としても、今回のルール改定はうまく行ってないように感じる。Appleの目標はiOS端末の台数を増やすことだと思うので、早期にコンテンツ配信者と落としどころを見つけた方が良いのでは。

 

他サイト関連記事

Apple、Readabilityのアプリを講読契約を盾に却下―iPadでSaaSは不可能になる(TechCrunch Japan)

Readability: Apple’s new subscription policy ‘smacks of greed’ — Engadget

Apple rejects Readability due to subscription policy — where will it end?(TUAW)

AppleInsider | Apple’s rejection of ‘Readability’ iOS app stirs subscription controversy

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